■[政治]2012年 オバマ大統領 一般教書演説全文
ごめん、本当は英語のほうに日本語を照らし合わせたかったのだけど、
ちょっと時間がないようです。
一般教書演説の全文+要旨。
参考1)
参考2)
先月、私はアンドリュース空軍基地に行き、イラクでの任務に就いていた最後の部隊を出迎えた。こうした人々が米国を世界のなかでより安全で、より尊敬される国につくり上げた。9年間で初めてイラクで戦っている米国人はいない。この20年間で初めてウサマ・ビンラディンは米国にとって脅威ではない。アルカイダの多くの幹部は敗れ去った。タリバンは衰え、アフガニスタン駐留軍は帰国し始めている。
我々が彼らの例に従うならば、我々が実現できることを想像してみてほしい。ハイテク製造業、高い賃金の仕事をひきつける国。自らのエネルギーをコントロールでき、安全保障や繁栄が不安定な地域に影響されない未来。勤勉さが報われ、責任感が評価される持続性のある経済――。
我々はできる。我々は以前にやっていたので、できると分かっている。第2次世界大戦後、英雄たちが戦争から帰ってきたとき、彼らは最も強い経済、中間層を生み出した。一生懸命働けば家族を養え、自宅を保有し、子供を大学に通わせることができた。
我々の時代の課題はこの約束をどのように続けるかということだ。これほど近々の課題はない。もはや議論の余地はない。我々はだれもが平等となるような経済を再生できる。これは民主党だけの価値でも、共和党だけの価値でもなく、米国の価値だ。
過去22カ月で300万人以上の雇用が生み出された。米国の製造業は1990年代以降ではじめて再び雇用をつくり出している。我々は負債を削ることで合意し、ウォール街(金融機関)を規制する新たな法律を設けた。あのような危機は二度と起きない。私が大統領でいる限り政策の実現に向けてこの議場にいるだれとでも協力するつもりだ。障害には行動でたたかう。この経済危機をもたらした政策に戻そうとするあらゆる動きに反対する。
◆経済政策 今夜、我々がどのように前進していくかということについて話したい。持続する経済の青写真を示したい。米国の製造業、エネルギー、労働者の技術力、新たな価値観に頼れるような経済だ。
この青写真は米国の製造業から始まる。
私が就任した当時、自動車産業は崩壊の瀬戸際だった。そのまま死なせた方が良いという声もあったが、100万人の雇用がかかっており、私はそうはしなかった。救済する代わりに我々は義務を求めた。リストラを求めたのだ。ゼネラル・モーターズは世界首位に返り咲き、クライスラーは最も早い成長を見せ、フォード・モーターは米国で数十億ドルもの投資を行っている。自動車業界全体で16万人近い雇用を生み出したのだ。
我々は米国の労働者に、創意工夫に賭けた。そして今夜、米国の自動車産業は戻ってきた。
デトロイトで起こったことは他の産業でも起こっている。海外に去った雇用を全て戻すことはできない。だが、今では中国でビジネスする方が高くつき始めている。今や製造業を取り戻す絶好の機会なのだ。ビジネスリーダーへのメッセージは簡潔だ。自国に雇用を戻すために何ができるか考えてほしい。そのために米国はできることは何でもする。
まず税制から始めよう。米国にとどまる企業は世界で最も高額の税金にさらされる。これを変えよう。税制優遇は海外に出て行く企業は受けられず、雇用を戻すと決めた企業が受けられるようにすべきだ。今後、多国籍企業は最低限の税金を支払わねばならず、ここにとどまる企業の税金を下げるために使われる。米国で生産するハイテク企業の税控除額を倍増する。工場が無くなった地域に移動する企業には資金調達を支援する。
米企業の海外販売も支援する。2年前、私は5年間で輸出を倍増する目標を定めたが、計画より進んでいる。米国製品の市場を開くためなら、私は世界のどこにでも出向く。ルールに従わない相手には遠慮しない。中国のような国の不公平貿易を調査する貿易是正部門を設置する。米国の労働者は地球上で最も生産性が高く、フィールドが平等なら米国が常に勝つと約束しよう。
◆教育政策 教師は重要だ。彼らを批判するのでなく、学校と約束しようではないか。優秀な教師の水準を保つための材料を与え、最高の報酬を与えよう。創造性と情熱をもって子供たちの学習の助けになろうとしない教師は交代させる。また、すべての州に対し、生徒が卒業するか18歳になるまでは、生徒みなを学校にとどまらせるよう求める。
子どもたちが学校を卒業すると、もっとも負担となる障壁が大学の費用だ。米国民の学費の負担が大きい場合、議会は7月から学費ローンの利子を倍増する措置を停止する必要がある。中流家庭に数千ドルの節約をもたらす税措置を延長する。そしてより多くの若い人々に、向こう5年で就学しながらの働く機会を倍増させ、学費を稼げる機会を与える。
多くの熱意ある学生たちには障壁がほかにもある。米国の市民権を得ていない者も多くおり、彼らは送還の脅威にさらされている。ビジネスや科学を学びに来て、学位を取得すると、米国以外のどこかで新たな製品を開発し、雇用を生み出す。これは意味を成さない。
違法入国には厳しく対応すべきだ。そのため私の政権は国境の取り締まりをかつてより強めている。我々は包括的な入国管理の改革に取りかかるべきだ。しかし、選挙の年には難しい。少なくとも、新たなビジネスを始める責任ある若者を閉め出すようなことはやめることで合意しよう。彼らに市民権を与える機会となる法案を持ってきてほしい。私はすぐにでも署名する。
持続可能な経済はこの国の皆の才能と威厳を高めるものだ。女性も平等な仕事や平等な報酬を得るべきだ。アップルのスティーブ・ジョブズ氏に続くような起業家をめざす人たち皆を支援すべきだ。革新は米国が常に追求してきたものだ。多くの新たな雇用が小さなビジネスの起業によってもたらされてきた。我らの成功を妨げるような規制を打ち砕こう。小さな事業への優遇税制を拡大し給料を高めるような法案を、年内にまとめよう。
革新には基礎的な研究が必要だ。今日、政府が支援する研究機関ではガン治療の新たな処置などが開発されている。こうした分野の投資の予算を奪ってはならない。他国との競争で負けてもいけない。
◆エネルギー政策 米国ほどエネルギー分野で大きな革新が約束されている国はない。過去3年間、広大な石油・ガス田を探査のため開放。そして今夜、海底の石油・ガス田の75%以上を開放するよう指示する。米国の原油生産は過去8年間で最高。昨年は過去16年で外国石油への依存度が最も低かった。
しかし、世界の埋蔵量の2%にすぎない石油だけでは十分ではない。米国産エネルギーに関し、利用可能なすべての資源を活用する必要がある。環境負荷が低く、安く、そして多くの新たな雇用をもたらすものだ。
我々には100年近く調達し続けられる天然ガス資源がある。私の政権では安全に開発するためのすべての可能な措置を講じる。これにより、2020年までに60万人以上の雇用を支えられる。そして公共の土地でガスを探査するすべての企業に対し、利用する化学物質の開示を要請する。
私はクリーンエネルギーに関しての約束を諦めない。風力や太陽エネルギー産業を中国やドイツに譲らない。米国は1世紀にわたって石油会社に助成してきたが、もう十分だ。ほとんど利益を生まない産業に税金を使うのはやめ、前途有望なクリーンエネルギー産業に投資すべきだ。クリーンエネルギー税控除制度を可決し、関連する雇用を生み出すべきだ。