担当者ではなく、マネジャーが成果をあげるとはどういうことか / SAFETY JAPAN [仕事ができる人の習慣] / 日経BP社
3.executiveとmanagement、およびmanagerのつながり
多くの古典では、最初のところで使われた少数の言葉を、どう理解するかが関門です。
この書では、「エグゼクティブ」や、肉体労働とは異なる内容と方法をもつ「知識労働」がそれです。
エグゼクティブを、日本語の経営者と置き換えた途端に、重要な意味が抜け落ちます。わが国の経営者の多くには、以下に示すような、「実行家としてのマネジャー的な機能」がないことも多いからです。
【エグゼクティブの原義】
executiveという機能を整理すれば、
・成果をあげることができるようにルールと作業方法を決定し、
・人のそれぞれの強み(=技術)を生かすように配置(=組織化=organize)をして、
・実行を、時間軸で計画(plan)し、・最終成果との比較で、進捗度合いの管理を行い、
・途中で必ず生じる予期せざる障害の解決をし、
・成果をあげるために他人を導く人です。
以上は、経営(management)の6項目の、多少長い1文での、短い定義でもあります。
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このマネジメントの、エクセキューション(実行、執行)をするのがエグゼクティブです。
最近、わが国でも始まった「執行役員」の原義でもあります。エグゼクティブとマネジャーを兼務する。
マネジメントをする立場にある人は、経営者であることが多いのでexecutiveは経営者と訳されます。
【経営者】
経営者は、組織を有効に使って成果(利益と従業員の賃金上昇)を達成する人のことです。
経営は、ドラッカーの定義では、利益産出・商品開発・人材育成という成果をあげる活動です。
組織の活動が、個人の活動の足し算より上回ることのできる唯一の理由は、組織において人と知識が、連携して活かされたときです。
【人員配置】
組織で人が活かされるとは、各人の知識と技術の強みの部分で分業を行うことができるように、人員配置をすることです。
懲罰的な人事は、人の弱みに焦点を合わせます。こうした組織は、「組織としての成果は、個人の成果の足し算」以下になって行きます。
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(注)たとえば、過去、物流部は組織の傍流とされ、他の仕事で成果をあげられないと(不当さを含め)評価された人や、組織になじまない人が回されることが多かった。そのために、生産性が低かったのです。
【人員配置の権限の根拠】
人員配置は、組織に成果を上げさせることができるという責任の対価として、経営者に与えられる権限です。
経営者が、人事や人の仕事の評価に権限を持つことができる唯一の根拠は、組織全体の利益に、達成責任をもつからです。
【根底の原理:責任と権限の表裏の関係】
近代組織では、責任がない権限はあり得ません。
権限が、利益と貢献への責任ではなく、役職という立場(ポジション)に与えられるとすれば、それは封建組織です。
【封建組織】
近代社会以前の封建組織は、身分的な主従関係で成立していました。この封建的な主従関係は、西武グループのコクド、カネボウ、JR、金融業、学会、病院等にも多く見られます。
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官僚組織にも、成果や利益の定義がはっきりしないため、キャリア-技官-ノンキャリア制度を中核に、階級による身分的な主従が見えます。
身分的な主従関係の組織では、仕事という言葉が意味する「事に仕える」ことが、「人に仕える」ことになります。
仕事への貢献の前に、人への忠誠が求められます。貢献への責任の代わりに、権力や権限で人を動かします。
大企業や官僚組織には、(1)人を忠誠度で計り、(2)人を動かすのに権力と恐怖によるマネジメントを行う「封建組織」が多いと感じます。
その理由は、組織が細分化され、個々人の仕事が、成果、利益、損失にどう係わっているか、見えなくなっているからです。
(原理)
組織の中で、成果が定義されず、成果が皆に見えないとき、仕事は階層的な主従関係の中で「人に使える」ことになる。
(注1)関連して言えば、人員配置は懲罰ではありません。リストラが失敗する理由の多くは、懲罰人事が横行し、成果主義を賃金切り下げの正当化のために使うからです。封建組織に多く見られます。
(注2)経営者とは言われない管理職(manager)も、担当する部署の成果に責任をもつことでは、経営者と同じです。
以上の、多少長い前置きのあとは、内容に入っていきます。
(注)原著からの引用は<***>で示します。( )内は理解のための補いです。翻訳を参照しながらも、原文にあたり、理解を助ける意訳を加えています。
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